津波火災

東日本大震災に伴う大規模火災に関するフィールド調査

東日本大震災直後より,市街地火災の現地調査を行っています.この調査では,新しい火災調査の手法としてGPSを用いた延焼領域の把握と面積の算出を行いました(深刻な津波被害により地図で現在地を把握することが困難だったため).結果として,少人数・短期間でほぼ全ての津波火災を把握することができました.また下図のように,津波火災の市街地延焼面積は約78万uと予想されることが分かりました.
(ただし下図において,名取市平田橋付近の火災のみ当調査では把握できず,消防研究センターの調査結果を用いています).


 [東京大学・東京理科大学・京都大学・消防研究センターとの合同調査]
調査をまとめた査読論文(pdf)
(↑引用の際は「廣井悠,山田常圭,坂本憲昭 :東日本大震災における津波火災の調査概要,地域安全学会 論文集,NO.18, pp.161-168,2012」でお願いします)

東日本大震災時の津波火災に関するヒアリング調査

東日本大震災後より,津波火災のメカニズムやその対応行動・消火実態を調べるため,現地でのヒアリング調査を継続して行っています.特に常備消防や消防団の方を中心として,2012年までに80回程度ヒアリングをさせていただきました.

津波火災の再現実験

2011年8月15日,消防研究センターで津波火災の再現実験を行い,重油を含んだ水に浮いた瓦礫がロウソクの芯のような役割を果たし,強く燃えることが分かりました.これにより,1.重油の流出,2.浮かんだ瓦礫,3.何らかの火源という3つの条件が,気仙沼のような大規模な津波火災の発生条件となることがはじめて明らかになりました.


東日本大震災後の火災に関するアンケート調査

東日本大震災後の火災実態を調べるため,消防本部アンケートを行っています.回収率約85%の段階で,津波火災は159件考えられることや,その火元建築物は非木造が多いこと,高層の建物においても津波火災が発生していることなどが明らかになりました.また,津波火災1件当たりの延焼棟数は約20棟/件と,従来考えられてきた地震火災(約1.6棟/件)より大きな被害量となることが明らかになりました.
 [鹿島学術振興財団の研究助成金(平成25年度,研究代表者:廣井悠,研究題目:東日本大震災における地震火災の発生原因と消火実態の解明に関する研究),および火災学会地震火災専門委員会(主査:北後明彦神戸大教授,幹事:名古屋大廣井)での活動]
調査をまとめた論文(pdf)
(↑引用の際は「廣井悠:平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震後の津波火災に関するアンケート調査,地域安全学会梗概集,No.32,pp23-26,2013.」でお願いします)
調査をまとめた論文・続報(pdf)
(↑引用の際は「廣井悠:津波火災に関する東日本大震災を対象とした質問紙調査の報告と出火件数予測手法の提案,地域安全学会論文集,No.24,2014.」でお願いします)

津波火災の量的な被害想定に関する研究

東日本大震災後の地震火災データベースを用いて,南海トラフ巨大地震陸側(1)ケースにおける津波火災の出火件数予測を行いました.県別の計算で具体的な地域などを明らかにしたものではありませんが,陸側(1)ケースにおいては津波火災の発生は93件と予測されました.また至る所で重油が流出する,という最悪の想定(発生確率は低いですが)のもとでは全件数が270件ほどになることも想定され,危険物管理をはじめとした対策の推進が求められます.
 [鹿島学術振興財団の研究助成金(平成25年度,研究代表者:廣井悠,研究題目:東日本大震災における地震火災の発生原因と消火実態の解明に関する研究),南海トラフ広域地震防災研究プロジェクト(代表:金田義行名古屋大学教授),都市の脆弱性が引き起こす激甚災害の軽減化プロジェクト(3)(代表:林春男京都大学教授)における研究成果]
研究成果をまとめた論文(pdf,上記論文と同じものです)
(↑引用の際は「廣井悠:津波火災に関する東日本大震災を対象とした質問紙調査の報告と出火件数予測手法の提案,地域安全学会論文集,No.24,2014.」でお願いします)

 

 

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